【土地】用途地域を確認しましょう
建築基準法と「用途地域」
建築基本法って?
建築基準法は、建築法規の根幹を成す法律である。
この法律の下には、建築基準法施行令・建築基準法施行規則・建築基準法関係告示が定められており、建築物を建設する際や建築物を安全に維持するための技術的基準などの具体的な内容が示される。
建築基準法が日本国民の生命・健康・財産保護の最低基準を指し示す方針を掲げているのに比して
- 建築基準法施行令では建築基準法の規定を受けて、規定を実現するための具体的な方法や方策を定めている。
- 建築基準法施行規則では建築基準法と建築基準法施行令を実施する際に必要とされる設計図書や事務書式を定めている。
- 建築基準法関係告示は監督官庁から公示され、複数分野の技術革新により日々変化していく事物へ追従するために建築基準法・建築基準法施行令・建築基準法施行規則を補完する役割を担う。
建設関連法令分野における通称として建築基準法は「法」、建築基準法施行令は「令」、建築基準法施行規則は「規則」、建築基準法関係告示は「告示」と略される。
地方公共団体はそれぞれの地域の特殊性を加味して建築基準法第40条に基づき、条例により必要な制限を附加することができ、また市町村は土地の状況から必要な場合は建設基準法第41条に基づき、国土交通大臣の承認を得た上で条例として緩和を制定することができる。
一般的にこれらは建築条例や建築基準条例と呼ばれ、多くの地方公共団体(市町村を含む)では、細目まで定めた条例が制定されている。
行政手続き上の効力や拘束力を持たないものとして「建築指導要綱」といった内規が建築指導課や指導係等の所管課で定められている場合があり、行政指導の名目で建築行為の制限を受けることがある。
用途地域ってなに?『えっ!この土地建物建てられないの!!』
建築基準法において、「用途地域」というものが定められています。
これは住宅街や工場、倉庫などが混在した街にならないように、建築できる建物を定めたものをいいます。
大きく【住居系】【商業系】【工業系】に分類され、これをさらに13地域に分けて、それぞれ建てられる建物の用途が決められています。
住居系
13地域のうちの8地域が住居系に分類されています。
この8地域には大きな工場や商業施設の建築はでできないため。
おおむね、暮らしやすい住宅街になります。
商業系
商業系は2地域、商業施設や飲食店などが並ぶ場所です。
駅周辺や幹線道路の周辺などが指定されていることが多いです。
工業系
3地域が工業系になり、工場などが立ち並ぶ地域です。
注文住宅を建築するのは【住居系】【商業系】になりますので、具体的に地域を解説していきます。
住居系8地域
①第一種低層住居地域
第一種低層住居専用地域は低層住宅の良好な住環境を守るための地域。
(床面積の合計が)50m²までの住居を兼ねた一定条件の店舗や、小規模な公共施設、小中学校、診療所などを建てることができます。
閑静な住宅地をいう表現がしっくりくる地域です。
②第二種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域は、主に低層住宅の良好な住環境を守るための地域。
150m²までの一定条件の店舗等が建てられる。
例として、第一種低層住居専用地域の例に加え、コンビニなどの小規模な店舗などがあるもの。
コンビニや小規模店舗(飲食店など)が建築可能なので、日常生活に不自由しない地域といえるでしょう。
③第一種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。500m²までの一定条件の店舗等が建てられる。
中規模な公共施設、病院・大学なども建てられる。
例として、3階建て以上のアパートやマンションがある住宅街などが該当します。
④第二種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域は、主に中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。
1500m²までの一定条件の店舗や事務所等が建てられる。
例として、第一種中高層住居専用地域の例に加え、小規模のスーパーマーケット、その他やや広めの店舗・事務所などが該当します。
⑤第一種住居地域
第一種住居地域は、住居の環境を保護するための地域。
3000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル等や、環境影響の小さいごく小規模な工場が建てられる。
例として、中規模のスーパー、小規模のホテル、中小の運動施設、その他中規模の店舗・事務所などが該当します。
⑥第二種住居地域
第二種住居地域は、主に住居の環境を保護するための地域。
10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等や、環境影響の小さいごく小規模な工場が建てられる。
具体例としては、郊外の駅前や幹線道路沿いなど。
アパートやマンションがあり、大きめのスーパーや商業店舗・事務所などが該当します。
⑦準住居地域
準住居地域は、道路の沿道等において、自動車関連施設などと、住居が調和した環境を保護するための地域。
10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等や、小規模の映画館、車庫・倉庫、環境影響の小さいごく小規模な工場も建てられる。
具体例としては、国道や幹線道路沿いなどで、宅配便業者や小規模な倉庫が点在するような地域である。
道路沿いの住宅街に倉庫を建てさせたいという目的で設置された用途地域とも言える。
車庫について規制解除された他は第二種住居地域に準じている。
⑧田園住居地域
田園住居地域は、農地や農業関連施設などと調和した低層住宅の良好な住環境を守るための地域。
ビニールハウスなどの農産物の生産施設や農産物・農業の生産資材の倉庫等のほか、500m²までの一定の地域で生産された農産物を販売する店舗等も建てられる。
具体例としては、農産物直売所・農家レストランについて規制解除された他は第二種低層住居専用地域に準じている。
以上の8地域が【住居系】に分類されています。
土地選びをする際に、不動産広告には必ずこの用途地域が記載されていますので確認を必ずする様にしましょう。
各自治体に用途地域を確認するホームページがありますので、不動産広告に記載されている用途と行政が指定している用途地域が一致しているかの確認をおススメします。
商業系2地域
⑨近隣商業地域
近隣商業地域は、近隣の住民が日用品の買物をする店舗等の、業務の利便の増進を図る地域。
延べ床面積規制が無いため、場合によっては中規模以上の建築物が建つ。具体例としては、駅前商店街をイメージしてください。
小さな商店がたくさんある状態から、中規模以上の商業施設も建築が可能です。
⑩商業地域
商業地域は、主に商業等の業務の利便の増進を図る地域。
延べ床面積規制が無く、容積率限度も相当高いため、高層ビル群も建てられる。
工業系3地域
⑪準工業地域
準工業地域は、主に軽工業の工場等、環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域。
住宅や商店も建てることができる。
⑫工業地域
工業地域は、主に工業の業務の利便の増進を図る地域。
どんな工場でも建てられる。住宅・店舗も建築は可能。
⑬工業専用地域
工業専用地域は、工業の業務の利便の増進を図る地域。
住宅が建設できない唯一の用途地域。
また「用途地域」に基づいて、
- 建物の種類
- 建ぺい率
- 容積率
- たかさ制限(第一種・第二種低層住居専用地域・田園住居地域)
- 前面道路幅員別容積率制限(道路幅員に乗ずる数値)
- 道路斜線制限
- 隣地斜線制限
- 日影規制
が決定されるのですが、解説はまた別の機会にさせていただきます。
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