基礎工事の雨は心配ない
基礎工事は、建物の地盤を整備し、建物を安定させるために行われる工事です。これにより、建物の基礎が安定し、長期的に耐震性や耐久性を向上させる工事です。
注文住宅のお施主様にとっての心配は、基礎工事中の「雨天」ではないでしょうか?
今回は、住宅基礎に用いるコンクリート、そして基礎工事の流れを学ぶことで基礎工事中の雨に対する心配が少しでも解消できる内容になっています。
コンクリートの特性
コンクリートが固まるメカニズム(乾燥)に関して皆さんはこのように想像していませんか?
乾燥⇒固まる
実は、これは間違っているんです。
コンクリートの作り方から見ていきましょう。
コンクリートを作るには、まず「セメント」と「砂」と「砂利」に水を加えてよく練り混ぜます。
すると、はじめは粘土の様に柔らかく加工がしやすいコンクリートがつくられます。
コンクリートはセメントを構成する「化合物」が、水と反応して新しい化合物になります。
このセメントと水の化学反応と【水和反応】と呼びます。
この水和反応によって「水和物」と呼ばれるものになります。
コンクリートは、時間が5~6時間たってだんだん固くなって、形が帰れなくなるまでを「凝結」そして、硬いかたまりになることを「硬化」といいます。
コンクリートの「強度」に関して、最終強度を100%とすると、およそ3日で強度「20%」、一週間で「40%」、28日間で80%になるといわれています。
セメントと水が水和反応をするとき化学反応によって熱が発生するのですがその熱のことを「水和熱」と呼びます。
基礎工事の流れ
次に基礎工事の流れを見ていきたいと思います。
①地縄はり・遣い方工事 建物の位置を確認
②掘削 基礎の形にあわせて地面を掘る
③砕石敷き・捨てコン 地面を締め固めて基礎を平らにする
④配筋 基礎の骨組みをくみ上げる
⑤型枠 コンクリートを流し込む型枠を作る
⑥打設 コンクリートを型枠に流し込む
⑦養生 コンクリートが固まるまで待つ
⑧脱型枠 型枠を外す
⑨仕上げ 段差や継ぎ目などをきれいに研磨する
おおまかな流れはこのような感じです。
この基層工事の打設の段階が終了したあとに、【散水】をおこないます。
この散水はコンクリートの表面の乾燥を防止することを目的としておこないます。
コンクリートの硬化のために乾燥は実は大敵なのです。前述をしましたが「水和反応」を起こすためには適度な水分が必要になります。
その為必要以上に乾燥してしまうと水和反応に十分は水分がなくなってしまってしまい十分な強度が出なくなってしまいます。
例外に注意
これまで、基礎工事において「雨」は心配ないとおつたえしてきました。
しかし、例外があるのでお伝えしたいと思います。
例外①基礎コンクリート打設中の雨
型枠にコンクリートを流し込む「打設」の作業中に雨に降られるとコンクリートの強度に大きな影響が出てしまいます。
コンクリートの強度は「セメントと水」の水セメント比によって決まります。
強度を計算して工場で作られたコンクリートが現場に輸送されてくるですから余計な水分が入ってしまうと水セメント比が多くなってしまい。設計された強度を損なう結果となります。
皆さんも雨の中型枠にコンクリートを流し込む場面には出会ったことがないと思います。
例外②ゲリラ豪雨
雨のおおい梅雨のじきやゲリラ豪雨の時期も例外が起こりやすい季節といえます。土砂降りも加えておきます。
コンクリートは打設した段階ではやわらかい状態なので、強い雨に打たれ続けてしまうと表面にガタガタになってしまうことがあります。
対策としては、
◎強雨予報前には打設しない
◎ゲリラ豪雨に備えてシートなどで養生をする。
まとめ
基礎工事の雨は心配ないことに関してまとめてきました。
コンクリートの強度は「水和反応」によるもので、乾燥⇒強度が上がるわけではない。さらに適度な水分が必要ではあるが、乾燥のしすぎは禁物である。
雨による影響は少ないが例外もあることも決して忘れてはいならない。
ぜひ続けてお読みください
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