【必見】住宅建築工法のメリットとデメリット④RC造編
住宅を建築するの工法のメリットとデメリットをご紹介しています。
四回目の今回は「鉄筋コンクリート造(RC造)」をご紹介します。
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete)は、頭文字をとって一般的にRC造といわれています。
柱や梁などの主要構造部に鉄筋の入ったコンクリートを用いた住宅をいいます。
一般的にRC造住宅は、マンションやビルなどの中高層の建物に多く見られる構造ですが、近年その性能やデザイン性などで一般住宅でも多くのRC造住宅が建てられています。
鉄筋コンクリート工法には、構造形式として「壁式工法」と「ラーメン工法」の二種類があります。
壁式工法は、ラーメン工法(柱と梁で建物を支える工法)のような、柱や梁が室内側に出ないので、住宅に適した工法(壁と床で建物を支える工法)です。
ただし ラーメン工法と比べると、開口部の取り方が制限される場合があります。
また コンクリート自身は柔軟な形状をつくり出すことができ、建物の形状に変化を生み、デザイン性にも優れた工法といえます。
メリット
耐久性
RC造は圧縮力に強いコンクリートと、引張力に強い鉄筋を組み合わせているため、その耐久性は木造住宅に比べて、非常に高い耐久性を持ちます。
法定耐用年数は47年であり、木造の22年と比較して2倍以上です。
コンクリートは木材と比べて経年や外的要因による劣化が起きにくく、長持ちする家をつくることができます。
耐震性能
RC造に用いる鉄筋は引っ張る力に強く、コンクリートは圧縮に強いため、それぞれの強度が活きて、極めて高い耐震性を誇ります。
また、コンクリートで作られた6面体となるモノコック構造となります。
モノコック構造はさまざまな外力が構造の一点に集中せず、建物の“面”全体に分散してバランスよく受け止めることで高い強度と耐震性能を持ちます。
耐火性
主な材料であるコンクリートであり、不燃材料です。
鉄筋コンクリートは、非常に熱に強く、1000度の炎に数時間さらされても崩れることなく、強度も下がりません。
耐火性能認められているため、一般の木造住宅と比べて、火災保険の保険料もおよそ1/3に抑えることができます。
遮音性
コンクリートは気密性が高く重量も大きいため、振動が起きにくく、音を伝えにくい材料です。
外部の音エネルギーをコンクリートが遮断するため、遮音性能が非常に高くなります。
180mm厚のコンクリートは、透過損失-50db以上の性能を持ちます。
これは、外が交通量の多い道路(80db)でも、室内への音エネルギーの侵入を遮断するので、室内では深夜の住宅街の静けさ(30db)となります。
RC造住宅は床もコンクリートなので、上下階の音も遮音します。
断熱性・気密性
コンクリートの特徴として、材質の気密性が高いために高い気密性を持ちます。
また、柱と壁が鉄筋コンクリートになりますので、当然隙間の生じにくい構造となり、高い断熱性を持つこととなります。
夏は涼しく、冬は暖かな住宅となります。
デメリット
建築コストが高額
建築部材の価格が高いだけでなく、工期が一般的な木造建築よりも比較的長くなります。
その分職人の人件費がかさんでしまいます。
結果として、坪単価で比較すると、木造の約2倍ほどのコストがかかることがあると思っておきましょう。
重量が重い(強固な地盤が必要)
主な部材となるコンクリートも鉄筋も重量が重い材料になります。
その材料を使用して、建築部材を作り、住宅を建築するわけですから木造住宅よりもより強固な地盤が求められることになります。
地盤調査が非常に重要になりますし、思わぬ地盤改良工事費用など費用がかさむ可能性があります。
結露やカビの発生リスク
一般的に、コンクリートの建築物に関しては、建築後数年間は材料に含まれる水分が部材の中に残っていると考えられています。
そのため結露が起こりやすく、カビの発生原因になります。
その点に関しては各施工会社も高性能の換気システムを導入することで対策を講じています。
また、水分を吸収する性質があるため、施工段階できちんと防水処理が施されていないと、経年劣化によって、壁などがヒビ割れてしまうなどが起こってしまうことがあります。
まとめ
様々ある工法の中でも、建築コストが高額になります。
一方で耐震性・耐火性・遮音性・断熱性・耐久性・デザイン性などの大きなメリットがあります。
住宅に対して何を重視するかによって、しっかり検討したいものです。
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