【土地】地盤調査の方法は何種類なの
地盤は注文住宅の建物その重さを支える、家族の安全にとって非常に大切なものです。近年では注文住宅を建てる際にはまず間違いなく地盤調査を行い、必要があれば地盤改良工事をおこないます。今回は改良工事の工法ではなく地盤調査の方法をご紹介します。
地盤調査の方法
①ボーリング調査(標準貫入試験)
ボーリング調査は、ボーリングで地面に8cmほどの孔をあけて、そこにサンプラーと呼ばれる鉄の筒状部品を挿入します。サンプラーの上からハンマーを決まった高さから落として、その回数によって地盤の強度(N値)を測定します。
この試験方式は、中高層のビルや橋の橋梁、擁壁などの構造物を建築する際に多く用いられます。液状化判定には必須の調査方法になります。
標準貫入試験:(standard penetration test)という言葉があるように多くの実績があることから豊富なデータが蓄積されています。データの信頼性が高い分調査費用が高い傾向です。
【メリット】
◎固い地盤でも容易に掘削が可能
◎深層まで調査が可能
◎土質を目視で確認することができる。
【デメリット】
◎コストが高額
◎時間がかかる
②SWS試験(SS試験、旧スウェーデン式サウンディング試験)
現在の戸建て住宅向けの調査の多くはこのSWS試験によって行われています。その理由は1976年に日本興業規格(JIS)に制定をされたことです。
地中に貫入したロッドに錘をつけて、荷重をかけていくことでどれだけ地中に沈み込むか、ロッドの重さ自体で沈んでいかない場合にはロッドを回転させながら沈めていきます。その際には何回転したかで地盤の強さを測定します。
この試験で用いるロッドのにかける荷重ですが、25・50・75・100kgと段階的に荷重をかけていきます。
【メリット】
◎試験結果を換算N値で算出できる
◎回転数、荷重ともに自動記録されるため正確なデータがとれる
◎荷重が自動で調整されるため、自沈際のデータも正確にとれる
【デメリット】
◎硬い障害物にぶつかってしまった場合に調査ができない
◎地盤の強度を測定することは可能だが、土質の調査はできない
③SDS試験(スクリュードライバーサウンディング試験)
この試験方式はSWSに加えて行われる調査方法です。
従来のSWSはロッドが入っていくさいの「音」を頼りにして土質(ローム・砂質土・粘性土・腐植土・盛土)を推定していきます。
一方でSDS試験では、トルクなどのパラメータや地形条件、近隣のボーリングデータなどを参考にして土質の推定精度を高めることができるとのことです。地盤調査JHSで採用されており、累計で30万棟の実績があるとのことです。
④ラムサウンディング試験
この試験方法は、北欧のスウェーデンで開発された動的コーン貫入試験で、オートマティックラムサウンディング試験として知られています。
63.5kgのハンマーを50cmの高さから落下させて、ロッドにつけた先端コーンを打ち込んでいきます。ロッドを回転させてトルクの測定を行い、周面摩擦の影響補正をかける。この装置は調査全体が自動的に行われます。
【メリット】
◎N値が30を超えるような地盤でも調査できる
◎30mの深度まで調査ができる
◎ボーリング調査によって計測されるN値と同等の数値を得られる
◎ボーリング調査に比べ費用が安い
⑤SSJサンプラー調査
SSJサンプラー調査は、SWS試験とSSJ(SIMPLE・SOIL・JUDGE)を組み合わせた比較的新しい調査方式で、液状化判定・圧着沈下計算・土質判定などの今まで困難とされていた調査に関して高精度な土壌サンプリングができるようになった調査方法です。
【メリット】
◎SWS試験と併用が可能
◎コスト面で汎用性が高い
◎高精度な液状化判定が可能
◎様々な土質に対応
◎土質の境が鮮明に判定可能
【デメリット】
◎硬い地盤には不向き
◎調査可能な業者が限定される
⑥表面波探査法
表面波探査法は、起震器(人口震源)と呼ばれる装置を使って人工的に敷地地盤に表面波(レイリー波)を発生させて、さらにその振動をとらえる検出器を地面に設置して表面波のスピード・振度を測定します。
測定器の設置方法や担当者の技量や地中の空洞や埋設物によって測定結果が左右されやすいともいわれています。
【メリット】
◎強固な砂礫層でも調査ができる
◎狭小地でも調査ができる
◎沈下量の計算が可能なため沈下量予測ができる
【デメリット】
◎重構造を支える設計には不向き
◎非破壊検査のため、支持層の範囲があいまいになる可能性がある
◎土質判定ができない
まとめ
土地を購入する際に行われる地盤調査は、工務店・HMさんや不動産業さんが契約している地盤調査会社さんが行います。
地盤調査会社:JHSや地盤ネットなどの大手調査会社は地盤mapを公開していたりしますので購入を検討している土地の周辺の地盤がどうなっているのかなど確認をしてみて下さい。
調査結果がどうしても納得できないなどの際はセカンドオピニオンとして調査を行ってもいいかもしれません。
ぜひ続けてお読みください
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