屋根の主流を知ろう
注文住宅のポイント外観を左右するといっても過言ではありません。
家を建てたいと思うと様々な施工事例をみて外観をご覧になっていると思います。その中で屋根の形状は大きく3つパターンに分かれているのに気づくのではないでしょうか?今回は注文住宅・分譲住宅でも多くみられる屋根形状をご紹介していきたいと思います。
主流の屋根形状は3種類
①切妻(きりつま)屋根
頂点に棟がありそこから2方向へ流れる形状です。この切妻屋根は新築のおよそ4割がこの形状と言われています。妻側(屋根の棟に対して垂直の壁)からみるとほぼ2等辺三角形になっっていることから「三角屋根」と呼ばれることが多いのでそちらの方がピンと来るかもしれません。
同じ妻側からみると、破風板や斜めに取り付けられた軒天も見ることができる。シンプルな形状です。
切妻屋根のメリットは「シンプルな形状なのでコストが安め」「雨漏りしにくくメンテナンスしやすい」「小屋裏の通気を確保しやすい」「和洋どちらのデザインにもマッチしやすい」ことがあげられます。
一方でデメリットですが「三角屋根の部分の外壁が劣化しやすい」「スタイリッシュなデザインとの相性がいいとは言えない」といったところだといわれています。
メリットの「施工と費用の面」ですが、切妻屋根は同じ形状の2枚の屋根なので施工は4面の施工よりも施工しやすいのはわかりやすいですね。一方メンテンナンスも形状がシンプルなので作業がしやすいといわれています。
雨漏りにかんしてもメリットがあります。雨漏りの原因は雨水の侵入経路がどのくらいあるかで判断ができると思います。切妻屋根の場合は建材と建材の接合部が「大棟」の一か所ですので接合部が少ない分雨漏りのリスクが低くなるといわれています。
切妻屋根は左右で屋根の面の長さが均等なので、湿気や熱気が小屋裏の頂点へと集まってきます。換気棟や通気口を組み合わせることで部屋の湿気や熱気を排出しやすくする設計が可能です。
一方デメリットは外壁の劣化です。雨どいがついている鼻隠し側は軒が外壁に覆いかぶさるような構造になっていますが、破風板側の屋根がのびたまま切られたような形状になっています。破風板側は雨がそのまま当たることが多いためか破風・軒天・外壁の劣化が進んでしまいます。
②寄棟屋根
寄棟屋根の読み方は「よせむねやね」となります。比較的多くのお住まいに見られるスタンダードな屋根の形状で、頂上から軒先に向かって4方向に屋根の面がある構造です。一番頂上部にある棟を大棟といい、傾斜のある棟は隅棟、もしくは下り棟と呼びます。
寄棟屋根のメリットは「方向を選ばない」「高さ制限に有利」「景観の良さ」「耐久性・耐風性の高さ」があげられます。
まず方向を選ばないメリットの寄棟は建物の屋根が4方向に向いているので制限が少なくなります。切妻屋根だと妻部分に屋根がないなどの理由から方向に制限が出ますが寄棟は制限が少なくなります。
都心部では北側斜線規制という条項があります。これは隣人の日照や採光などの環境を保つための制限ですが、寄棟屋根は全方向が傾斜になっているため他の屋根の形状よりも有利になります。
景観面でもメリットがあります。寄棟はどっしりとした雰囲気があります。和風建築に昔から用いられることが多いです。デザインも幅広くマッチします。
4方向に屋根があるので外壁の部分的な劣化が発生しにくいですし、強風がその方向から拭いても屋根の傾斜が風を切る形になるのでふきかえしによって出る被害も少ないです。
一方コストが高くなる傾向もあります。シンプルな形状になっていないので部材も多いですし、工期や費用もかかる傾向があります。
高さ制限に有利なある面がある一方で屋根裏のスペースを取りづらい面もあります。換気効率をあげることが必要になります。
雨漏りのリスクも考えなくてはいけません。切妻屋根は大棟が一つの形状ですが寄棟は大棟と下り棟が合わせて5か所あります。棟はどうしても風の影響を受けてしまうのです。屋根の面と面の接続部分が多いのでしっかりした施工が重要になります。
太陽光パネルの設置にはあまり向かない一面もあります。4方向に屋根がありますので日照計算して屋根を考えないと設置できるパネル量が思ったほどつけれないとおもうかもしれません。
③片流れ屋根
片流れ屋根は一枚の屋根が一方向に傾斜している屋根形状のことを言います。物置や小さめの建物に用いられることが多く、シンプルでスタイリッシュなデザインのため近年人気があがって採用が多くなっています。
片流れ屋根のメリットは近年外観を含めてスタイリッシュなデザインが増えている傾向もあり現代的な外観に仕上がりやすい点です。さらに今後義務化が進んでいくであろう太陽光発電システムを大容量で搭載ができる点、そして小屋裏に大きな空間をつくりやすいことが多くあげられています。(北側に流れることも多く、一概に太陽光発電に有利である、小屋裏空間を確保しやすいと言い難い面もあります)
デメリットは雨漏りのリスクが高いことです。片流れ屋根は一枚屋根で接続部分がないため、雨漏りしにくいといわれています。しかし、屋根からではなく「破風板」と「野地板(野地合板)」の境目から、伝い水によって雨漏りが発生するリスクがあります。
まとめ
どの屋根形状もおうちを守ってくれますので、夢を詰め込んが注文住宅を実現してください
ぜひ続けてお読みください
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