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日本の住宅はなぜ寿命30年なの

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日本の住宅はなぜ寿命30年なの

日本の住宅の平均的な寿命は、一般的に30年といわれています。

しかし、皆さんに思い出していただきたいのですが、日本の神社仏閣は建立何百年なんてざらにありませんか?

日本の旧家といわれている家も100年をこえる住宅が全国に多く残っています。

では、なぜ日本の住宅は寿命が30年といわれてるのでしょうか。

今回はその理由について調べてきました。

基礎の寿命が30年

「一般的な住宅の基礎は、30年で寿命を迎えるように、設計及び施工がされている」調べていく中でたどり着いた事実でした。

住宅の基礎には、ベタ基礎や布基礎などさまざまな施工方法がありますが、基本的に鉄筋が基礎にふくまれています。

基礎=鉄筋コンクリートの寿命と考える場合

アルカリ性のコンクリートの中に張り巡らされている鉄筋には、施工や保存状態によっては「さび」がどうしても起こってしまいます。

コンクリートが中性化することがなければ、中の鉄筋はさびることはありません。

しかし、空気中の二酸化炭素の作用をうけて、コンクリート中の水酸化カルシウムが徐々に炭酸カルシウムになっていくことによってコンクリートのアルカリ性が低下する現象⇒中性化が起こっていくのです。

コンクリートが中性化していくことによって、鉄筋がさびる原因となってしまいます。

このコンクリートの中性化領域が鉄筋に到達して、約20%が腐食した状態が鉄筋コンクリートの寿命と考えられています。

私自身はこんな風に考えてしまいました。

車と住宅建築は、戦後日本が経済を発展させていく中で国策として強化されていた分野、多くの国民がマイカーをもち、マイホームを持つことにあこがれ、ステータスとしてきた。産業として大きくしていくために、乗り換えや住み替えは必須、一生乗り換えなくていい車や建て替えないていい住宅は産業を成長させるためには障害になってしまうわけで、住宅においては世代が変わる30年前後で住宅の寿命を迎えるようにしたのではないか?

住宅ローンは35年

多くの皆さんが組まれる住宅ローンは35年なのに、鉄筋コンクリートの寿命は30年??

5年間は寿命を迎えた耐久性が落ちて行ってしまう基礎に支えられた住宅に住むわけです。

多くの工務店・ビルダー、大手ハウスメーカーは、「受け継いでいく住宅」といい始めていますよね。

鉄筋コンクリートの寿命どう伸ばす

それでは、鉄筋コンクリートの寿命を延ばす=つまり鉄筋をさびにくくするにはどうすればいいのでしょうか?

その方法を調べてきました。

①密度を高める

コンクリートという建材は、強度が水セメント比(水とセメントとの割合)によって決まります。水セメント比が小さいほど高濃度のセメントとなるわけですので、コンクリートの強度は大きくなります。

採用している基礎の「耐久設計基準強度(N/mm2)」の数値を工務店やビルダーに確認してみるのはいかがでしょうか。

日本建築学会が公表している耐久設計基準強度において

短期(30年)は「18」中期(65年)は「24」長期(100年)は「30」と数値が公表されていますので、水セメント比を確認してみるといいですね。

②厚みを増す

基礎の耐久性はコンクリートのかぶり厚が大きく影響するのですが、ここで「かぶり厚」って何?ってなりますよね。

かぶり厚とは、コンクリート表面から鉄筋外側までの最短距離のことを言います。

かぶり厚が厚いほど、コンクリートの中性化の影響が出るのが遅くなるので、寿命が長くなります。

③正しい施工

基礎コンクリートに含まれる「空気」の量が多くなることで、どんなに水セメント比が高濃度のコンクリートで施工をしても意味がありません。

施行においてコンクリートの中の空気量をできるだけ少なくすることが重要です。

コンクリートは強度が高いほど固いために施工難易度が上がるので、基礎を担当する業者さんの力量がとっても大切です。

施工技術以外にも影響を受けることがあります。それは、打設した時期の外気温です。セメントの水和反応は温度が高いほど活発となり、-10℃で水和反応がなくなります。温度が高いほどコンクリートの強度が上がります。では暑い真夏がいいかというと実はそうでもないようです。厚場は水分の蒸発しやすいために、乾燥し過ぎるリスクがあるのです。

④適切な養生

コンクリートの強度は、水とセメントの水和反応によって時間をかけてその強度を高めていきます。水が供給され続ければ水和反応は進行し、時間が経過することで強度が増大していくのです。しかし、コンクリート中の水が乾燥して失われてしまうと水和反応が止まってしまうため、適切な水分をコンクリートに保たせる「調湿」が必要なわけです。

打設してから強度形成をおこなうとされている7日間にきちっとした調湿を行う管理が必要です。

まとめ

日本の住宅の寿命は基礎の寿命

頑強な基礎の上に高い技術を持って住宅を建てることができれば長い期間安心な住宅に住み続けることができます。

工務店・ビルダーさんとの打ち合わせの中で、基礎コンクリートの耐久設計基準強度はどうなっていますか?と一言聞いてみるだけで、「おぉこの施主さん知ってるな」となるかもしれません。

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